【コラム】「ストライクウィッチーズROAD to BERLIN」全12話を通しての感想 ありがとうストライクウィッチーズ
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「ROAD to BERLIN」完結
「ストライクウィッチーズROAD to BERLIN」全12話が完結しました。まず今回無事に完結したことについて、本当に製作スタッフの皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。本来であれば、今日BS11の放送後に第12話のまとめ記事を書こうと思ったのですが、まずそれよりも先にRtB全編通しての感想を書きたかったので記事にしました。まだBS11民で観れていないという方はここでいったん戻っていただけると助かります。
RtB全編で抱いた印象
新しい「ストライクウィッチーズ」
RtBが始まるまで、このシリーズでは珍しく放送時期よりもかなり前から製作が進んでいたことから、声優さんたちもこぞってRtBの話を放送前にしていましたが、そこでよく耳にしたのは「1期と雰囲気が似ている」といったものでした。【まとめ】現時点で判明している「ストライクウィッチーズROAD to BERLIN」のこれからの展開・内容
これまでラジオなどで判明している「ストライクウィッチーズROAD to BERLIN」のこれからの展開について、いったんまとめておきたいと思います。キャストさんたちのこの言葉が、今後どういう風につながっていくのかも気にして見ていきたいですね。例の7話について~みんデキ2020にて~名塚さん「虫回もすごかったですけど、先日アレを上回る回を収録しまして…」福圓さん「上回るっていうか、もうあれは5段階くらい上だよ!?」~LNA...
ちょっとシリアスめな話が多いのかなと思い、このRtBに臨みましたが、個人的には1期というよりも新しいストライクウィッチーズを見ている感覚になりました。もう少し分かりやすく言うと、ブレイブでやった「最終的な敵を見据えて1話1話繋がりをもって戦いを描く」といった描写の仕方をストライクウィッチーズでやってみたという印象を受けました。
もちろんストライクの声優さんはブレイブウィッチーズを演じきっているわけではないので、1期のような印象を受けるのは分からなくもないですが、1ファンとしてはそのように感じました。


ストライクの1期の僕個人の印象としては、来る敵を倒していたら、なんか変な敵が現れた上に騒動に巻き込まれて気付いたら親玉倒してましたみたいな印象でしたし、2期はなんか501みんなでキャッキャウフフしてたらいつの間にか最終作戦が始まって烈風斬で親玉倒しましたみたいな印象で、ストライクのTVシリーズはいつも途中関係ないことやってるけど最後になんやかんやで親玉を倒すみたいな印象を受けていました。
でもブレイブについてはグリゴーリというネウロイの巣に対して、2話~12話まで一気通貫して戦う描写に力を入れていましたし、今回のRtBもWolfというベルリンの巣に対する戦いを一貫して描いていたのかなと思います。なので1期を見ている感じか?と言われると自分はあまりそうは思わなかったです。ただブレイブを見ている感じか?と言われるとそういうわけでもないんです。
キャラ描写の下積みがあるかないか

ブレイブとRtBで明らかに違うのは、キャラの描写が放送時点でされているかされていないかだと思っています。ブレイブは502という部隊を1から説明する必要があった部隊で、まだキャラ自体も設定やイラストがあるくらいでした。なのでブレイブでお話をキチンと描きつつキャラの描写もしなければならなかったことで、描き切れるキャラもいれば描けなかったキャラもいたのは事実で、実際「雁淵ひかり」を中心にしたキャラくらいしか描き切れていない印象があります。
でもストライクはこれまで十数年描かれた下地が十分あって、それのおかげでキャラ描写を深く描かなくても、ファンはそれを分かっているし、たぶん製作者サイドも「このキャラならこうするな」というのが直感で分かると思うので、深く描かなくてもそれが分かるような描写ができていたんだと思うんです。そこに新しいキャラとして刺激を与えてくれるのが「服部静夏」という存在でしたね。
「服部静夏」が1人のウィッチとして成長していく過程、そしてベルリンのネウロイ「Wolf」を攻略するという超単純明快な本筋なんですけど、逆に明確な本筋があるというのがストライクウィッチーズでは新しいなと思いました。
でも2期のようなキャッキャウフフな雰囲気を望んでいた人からすればちょっと違うなーと思ったのではないかなと思います。今回はカルスラ3人組と宮藤&服部にスポットが当たりがちで、特にペリーヌとリーネがあんまり目立ってなかったかなーという印象です。ただ個人的にはブレイブの時にこのやり方はいいな!と思っていたので、それがストライクでこういう形でアニメで観れたのはとっても嬉しかったです。
ミリタリー描写
あとはブレイブでもそういう印象を受けたんですけど、ネウロイとの闘いにはウィッチーズだけじゃない部隊もたくさん絡んでるんですよという描写が、RtBではマシマシになっていました。
これはきっとストライクウィッチーズの1期の時にはとてもじゃないけどできなかったことで、ストライクウィッチーズなどが切り開いた萌えミリの文化が今こうしてある程度一般化してきた成果なんだろうなと見てて思いました。あと自分もこの作品に触れたことでそういったジャンルにも足を踏み入れることが多くなったので、そういう知識に対する成長がちゃんとRtBをより面白く観れる要素になってて、視聴層に合わせたレベルアップができているのではないかと個人的には思っています。
作画について
やはりRtBは本当に全編通して作画がよかったですねぇ。まったくもって文句がないです。もうブレイブもこれで作り直してくれないかなと思う次第です。以前よりは露骨なカットは減ったなと思いますけど、ズボンやズボンからはみ出るお尻のお肉とかもちゃんとエッチだし、戦闘シーンの顔も違和感はかなり減ったと思います。(もちろん無いとは言えませんが)
やっぱり作画がいいということは、初めて見る人の判断材料になると思うんですよね。お話とかは見てみないと分からないですけど、作画だったら見れば分かりますし、色んなアニメ見てるアニメヲタクってだいたい「作画がいい!」「作画が悪い!」とか言ってるじゃないですか(←偏見乙
なのでこの作画がよかったという部分でRtBがもっとストライクウィッチーズを知らない人にも見てもらえるきっかけになればいいなと思います。
他の部隊のウィッチ
一番意外だったのが、501以外のウィッチが思っていたよりも出なかったことでしょうか。「ワールドウィッチーズ」シリーズとして始動してから初めてのストライクのアニメだったので、以前と比べるともっと出るかなと思っていましたが、そんなことはなく。でもこうして全12話を見て思いましたけど、出なくて正解だった気がしました。

今回こうして「Wolf」を倒すという一連の流れをTVアニメの本筋にしていますけど、他の部隊が入るとその本筋以外の話ができなくなるなと思いました。それにTVシリーズで限られたコストで描くとなると、もし他部隊のウィッチがバンバン出ていたとしたならばもっと大変になっていたでしょうし、今回こうしてRtB12話を見終わってやっぱりストライクウィッチーズっていいなぁと思ったので、結果的に出ないでよかったかなと思いました。
もちろん他の部隊の動きについて補完するのはぜひやってほしい、というかむしろやってくれという感じなので、ぜひよろしくお願いしたいですね。特に502はアンナがいつの間にかやられていますし…。部隊同士の共闘はぜひ劇場版で観たいところ。
服部静夏
RtBで501に加わった静夏ちゃん。最初はどうなるか不安だったんですけど…実は見終わった後もまだ不安ですwwww でもこれは501に馴染めるんだろうかという不安とは違って、まだまだこの娘を応援して1人前のウィッチとみんなが認めてくれるような存在になってほしいなという想いが強い不安です。

以前にも書きましたが、第3話でリーネちゃんが言った「服部さんに出来ることを、芳佳ちゃんにしてあげて?」というセリフ。第3話では半人前+半人前=1人前で戦って、最後にリーネちゃんも同じことをしていたことを知った静夏ちゃんの表情を見て、ここから静夏だからできることをどこかで見せてくれるんだろうなと思い、RtBを観てきました。

いやーやってくれましたね、静夏ちゃん。
ただひたすらに守りたい宮藤さんを見て、自分のことしか考えていなかったと悔やんでいた第3話から考えると、この最終回での静夏ちゃんの行動に関しては、明らかにただひたすらに宮藤芳佳を守りたいという気持ちに溢れていて、継承の物語でもあるこのシリーズにおいても非常に見ごたえのあるシーンだったなと思います。静夏ちゃんにできることは憧れの存在の意思を受け継ぐことだったのかもしれません。
でも個人的にはこのシリーズが継承の物語といえども、宮藤芳佳と服部静夏の2人は上下の関係じゃなくて並び立つ関係になってほしいんですよね。今回最終話で芳佳ちゃんの「それでも私は守りたい」とタイトル通りのセリフがありましたけど、静夏ちゃんも命令があっても守りたいという自分の意志で芳佳ちゃんを守りましたよね。
静夏ちゃんも無意識のうちに芳佳ちゃんと同じ気持ちで立ち向かえるようになったんですけど、残念ながら2人で一緒に戦うことはできませんでした。これはベルリン奪還戦での静夏ちゃんにとっての「悔い」になるでしょうし、きっといずれは2人並び立って「守りたい」一心で戦う姿を見せてほしいです。

なのでRtBは静夏ちゃんにとってイントロダクションに過ぎないのかなと思います。となると劇場版は予告編みたいな感じになるんですけど。
一方で、今回こうしてRtBで静夏ちゃんの成長に大きく尺を取って描いてましたけど、まぁ賛否両論あるんじゃないですかね。静夏ちゃんは芳佳ちゃんやひかりちゃんみたいな明るくてどんなことにも前向きなキャラとは違って、頭も固いし自分のやって来たことを立ち止まって振り返るし、どうしたらいいか分からない時は考えすぎて訳分かんなくなるような女の子じゃないですか。
先ほども書いたように、今回の最終話で静夏ちゃんが最後まで飛ぶことができなくて芳佳ちゃんに助けてもらったことで、分かりやすい形で成長した部分が見えづらくて、「服部静夏」という存在に対する視聴後の爽やかさがなかなか感じられないんですよね。ものっすごい客観的に見ると、静夏ちゃんは最後まで迷惑かけてるなーという印象があるというか。(もちろん芳佳や501のみんなはそうは思っていないと思いますが。)
なので結果的に結局「服部静夏」というキャラってなんだったの?とか、501の他のメンバーをもっと描いてほしかったとか、そういう意見があってもおかしくはないのかなとも思いました。自分は今までの主人公たちとは違った成長過程が見れるので、今回の静夏ちゃんの描写は良かったなと思うんですけど、皆さんはどう見ましたかね。
他の11人のウィッチについても書きたいことはあるんですけど、記事の内容がごちゃごちゃするのでまた別の機会に書きたいです。
「おわり」について

RtB最終回を見るまでは、2期が終わった時の絶望感以上の絶望しかないのではと震えていたのですが、いざ見てみると「RtBありがとう!で、次はどこ?」くらいの気持ちになりました。
この理由は明白で、1期も2期も部隊は解散して、しかも2期に至っては物語のメインだった芳佳ともっさんが魔法力を失うという、いやこれ続きとかあるわけないやん…と当時の2chのスレ画お通夜状態になっていたくらい、「もうこれで終わり!」という要素しかありませんでした。(そもそも制作陣もこれで終わり!と思って作ってる)
で、RtBについても①放送開始前の雑誌インタビューでこれまでと同じように終わりと思って作ってる、②ミーナさんとバルクホルンさんの魔法力減退について示唆、③芳佳ちゃんの魔法力問題が最終話前まで解決しなかった、という3点を踏まえると、2期なんかと比べ物にならないほどの「終わる要素」がてんこ盛りだったわけです。(2期はもっさんの魔法力はまだしも芳佳ちゃんの魔法力消失は展開的にも突然すぎて口ポカーンだった)

でもいざフタを開けてみると、みんなでカールスラント復興のお手伝い、カールスラント南部とオストマルクにまだ巣はある、これからも501は戦い続けるだろう、、、あれ…?終わる要素どこ…????といった具合で、これまでとは違う「まだまだ私たちの戦いはこれからだ」感を受けました。静夏ちゃんなんてまだイントロダクションだし。でもこれって逆に「ない」んですかね、どうなんでしょう。
少なくとも個人的に「終わった」感がないのは確かですね。もちろんRtBが終わって寂しいなーとは思いましたけど、RtBを最高の形で見せてくれたスタッフの皆さんへの感謝の方が正直大きかったです。
最後に
10月から始まった「ROAD to BERLIN」が終わってしまいました。今年2月の箱根イベントで複合材な日々の管理人さんと話したことの一つに、始まったらあっという間ですぐに残りXX話とか考えるんでしょうね…みたいなことを話したんですけど、まったくもってその通りでしたwww
でも不思議なことに、体感的にはすぐだったんですけど、1話とか2話の内容がすごい懐かしいんですよね。RtBの1話1話の内容が濃くて、とても充実した3ヶ月でした。
2018年7月の発表から生きる指針だっただけに、終わってしまって寂しい気持ちは当然あります。正直2018年7月から他にも色々な展開があって本当に大丈夫なのか公式さんよぉ…と思ってたフシはあるのですが、今回のRtBを見てまだ信用してもいいなと思いましたし、ワールドウィッチーズのおかげで人生が豊かになることを再確認しました。
これからもワールドウィッチーズシリーズに貢ぐ気持ちは変わらず、でも時には毒を吐きつつ応援していきたいと思います。
最終話についてのまとめ記事は土日に書こうと思います。
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